ショックアブソーバー・ステアリング・ブーツ・灯火の交換の行と定期点検基準の対応

車検の見積書に「ショックアブソーバー交換」などの行があるとき、それが定期点検の項目なのか、交換の根拠は条文にあるのかを仕分けるページです。見積書にある足回り・ステアリング・ブーツ類・灯火類の行について、自動車点検基準に点検の項目として書かれているものと、書かれていないものを条文で仕分けます。

4つの箇所のうち、定期点検(別表第6)にあるのは点検だけで、交換は書かれていません

自家用乗用自動車等の定期点検基準(自動車点検基準の別表第6)で、この4つに関わる項目は次のとおりです。どの箇所についても、交換する作業や交換の時期は別表第6に書かれていません。また、灯火類は別表第6に項目がありません。

見積書の行別表第6の点検の項目点検の時期
ショックアブソーバ交換ショック・アブソーバの「油漏れ及び損傷」/緩衝装置の取付部及び連結部の「緩み、がた及び損傷」2年ごと
ステアリング関連(ギヤ・ボックス、ロッド、アーム、アライメント)ハンドルの操作具合/ギヤ・ボックスの取付けの緩み/ロッド及びアーム類の緩み、がた及び損傷/ホイール・アライメント/パワー・ステアリング装置の油漏れ及び油量、取付けの緩み2年ごと
パワーステアリングのベルトパワー・ステアリング装置のベルトの緩み及び損傷1年ごと
ブーツ交換(ボール・ジョイント、ドライブシャフト)ボール・ジョイントのダスト・ブーツの亀裂及び損傷/プロペラ・シャフト及びドライブ・シャフトの自在継手部のダスト・ブーツの亀裂及び損傷2年ごと
ライト・球の交換項目なし(日常点検の別表第2に「灯火装置及び方向指示器」がある)定期点検の対象外

つまり、定期点検(24ヶ月点検)の料金で行うのは、ショック・アブソーバの油漏れや、ブーツの亀裂のような状態を見る点検です。見積書に「交換」の行が別にあるときは、点検の結果を受けた整備(交換の作業と部品代)の行だと読めます。

見積書の足まわりの行の記載例(部品代と工賃の分かれ方)

同じ「交換」でも、見積書では部品代の行と工賃の行に分かれて出ることがあります。次の表は読み方を示すための架空の例で、金額は実際の相場や基準ではありません。

見積書の行(例)種別(例)金額(例)読み方
ショックアブソーバ(フロント左右)部品代00,000円部品の代金。1本の値段か左右2本ぶんかを数量欄で確かめます
ショックアブソーバ交換工賃00,000円取り外しと取り付けの作業の代金。点検の料金とは別の行です
ドライブシャフトブーツ(左)部品代0,000円ブーツ本体とグリース等を含むかを内訳で確かめます
ブーツ交換工賃00,000円ブーツの亀裂を見る点検は別表第6にありますが、この作業の行は別です
ヘッドライト球部品代0,000円球だけの代金。灯火は日常点検の項目で、定期点検の料金に含まれません
球交換工賃0,000円工賃が部品代に含まれ、行が分かれない見積書もあります

部品代と工賃の行の対応が見えないときは、どの部品に何の作業の工賃がかかっているかを依頼先に聞き、答えを控えておきます。工賃の欄の読み方は車検見積書の工賃欄の読み方にあります。

ステアリングとブーツ類は2年ごとの点検が中心です

別表第6は、1年ごとの点検と、2年ごとに1年ごとの点検へ加える点検に分かれています。上の表のとおり、この4つのうち1年ごとの点検にあるのはパワー・ステアリングのベルトだけで、ショック・アブソーバ、ギヤ・ボックス、ロッド・アーム類、アライメント、ブーツはどれも2年ごとに加わる項目です。アライメントの行と車検のサイドスリップ検査の違いはホイールアライメントの仕分けのページにあります。

車検のない年の12ヶ月点検は1年ごとの点検にあたるため、12ヶ月点検の見積書にショック・アブソーバやブーツの点検の行が並んでいなければ、別表第6の範囲では不自然ではありません。一方、12ヶ月点検の見積にこれらの交換の行があるなら、点検の基準にはない、依頼先が車の状態を見て提案する整備の行です(時期の区分は車検・12ヶ月点検・自動車税の時期の早見表)。

タイロッドエンド・ラックブーツ・パワステフルード・スタビライザーリンクの行は、点検基準の項目名にありません

見積書には、点検基準の項目名より細かい部品名の行が出ることがあります。別表第6の本文を確認したところ、「タイロッド」「ラック」「スタビライザー」「フルード」の語を含む項目はありませんでした(確認日2026-10-14)。基準にある近い項目は次のとおりです。

見積書の行別表第6で近い項目見積書と読み合わせるときの聞き方
タイロッドエンド交換かじ取り装置の「ロッド及びアーム類」の緩み、がた及び損傷/ボール・ジョイントのダスト・ブーツの亀裂及び損傷(2年ごと)どの項目の点検結果を受けた提案か、がた・損傷・ブーツ破れのどれかを聞きます
ステアリングラックブーツ交換項目名にラックやギヤ・ボックスのブーツはなし。ギヤ・ボックスは「取付けの緩み」、ブーツは「ボール・ジョイントのダスト・ブーツ」が書かれています基準のどの項目にあたると依頼先が見ているか、ブーツの状態(亀裂・破れ)を聞きます
パワーステアリングフルード交換パワー・ステアリング装置の「油漏れ及び油量」(2年ごと)。点検の項目は油の漏れと量で、油の交換や交換の時期は書かれていません量の不足を補う作業か、油を入れ替える作業かを聞きます
スタビライザーリンク交換項目名なし。「緩衝装置の取付部及び連結部の緩み、がた及び損傷」(2年ごと)が近い項目名ですどの項目のがた・損傷を見た結果かを聞きます

近い項目があることは、その行の交換が必要なことも、不要なことも意味しません。別表第6は点検する項目を示すもので、これらの部品の交換の要否や時期の数値は書かれていません。「走行◯万kmで交換」のような目安は、法定の合否基準ではない整備業者の案内による参考情報です。これらの行は法定費用ではなく、依頼先が設定する整備の部品代と工賃です。

灯火類は定期点検でなく日常点検の項目です

同じ自動車点検基準の別表第2(自家用乗用自動車等の日常点検基準)には、次の項目があります。

日常点検は、使用者(車の持ち主)が自分で行う点検として定められたものです。別表第6にはヘッドライトやバルブの項目がないため、見積書の「ライト交換」「バルブ交換」の行は、定期点検の料金に含まれる点検とは別の整備の行です。前照灯の保安基準は整備項目の参考情報の前照灯にあります。

見積書と読み合わせるときの注意

点検項目の全体は定期点検の項目一覧(1年ごと29項目・2年ごと60項目)、ブレーキフルード・エンジンオイルは交換は定期点検のどこにあたるかで確認できます。

見積の後で交換の行が追加され、請求書の金額が見積と違うときは、見積書と請求書の行の突き合わせで承諾の控えと行を照らせます。

よくある質問

Q. ショックアブソーバやブーツの「交換」は、定期点検の基準に書かれていますか。

自動車点検基準の別表第6(自家用乗用自動車等)にあるのは点検の項目で、交換する作業や交換の時期は書かれていません。ショック・アブソーバの油漏れ及び損傷、ダスト・ブーツの亀裂及び損傷は、2年ごとに加わる点検項目です。見積書に交換の行が別にあるときは、点検の結果を受けた整備の行と読めます。

Q. 見積書のライト・球の交換は、定期点検の料金に含まれますか。

別表第6にはヘッドライトやバルブの項目がありません。灯火装置及び方向指示器は、使用者が行う日常点検(別表第2)の項目です。そのため、見積書のライト交換・バルブ交換の行は、定期点検の料金に含まれる点検とは別の整備の行です。

Q. 「走行10万kmで交換」などの目安は、法令の基準ですか。

法令の基準ではありません。こうした目安は整備工場の案内や解説記事によるもので、別表第6には書かれていません。足まわりの整備は法定費用ではなく、依頼先が設定する整備の費用です。個別の車の交換の要否は、このサイトでは判定しません。

対象範囲と出典

法令に書かれた点検の項目の範囲を示すページで、個別の車の交換の要否や、交換の費用が妥当かどうかは判定しません。

出典(確認日2026-10-14。表の部品名の照合は2026-10-14、そのほかは2026-10-08):

このサイトは、車検の見積に関する一般的な情報を提供するものであり、個別の車の点検整備の要否を判定・保証するものではありません。実際の扱いは整備工場と国土交通省の案内でご確認ください。