見積書と請求書の行を並べて差を確かめる表
このページは、交付された書面の見積書と、作業後の請求書の金額を行ごとに突き合わせる方法を扱います。それより前の、電話・ネットで聞く概算から書面の見積書までに変わる行は、概算と書面の見積書で金額と項目が変わる行で説明しています。
車検の見積書は概算見積書で、請求書の金額と一致するとは限りません。差が出たときは、合計だけでなく行ごとに見積と請求を並べ、増えた行・減った行・新しく出た行を分けて確かめます。差が出る理由が正当かどうかはこのページでは判定せず、確認の順番を示します。
| 見積書の行(例) | 請求書の行(例) | 差が出たときの確認 |
|---|---|---|
| 預り法定費用(検査手数料・重量税・自賠責) | 同じ3行 | 金額が法定費用早見表と合うか。消費税が足されていないか(合計欄の読み方) |
| 車検基本料・点検整備費用 | 同じ行 | 見積から変わった理由。点検の項目の増減か |
| 見積にない整備・部品の行 | 新しく出た行 | 追加整備の承諾があったか(確認の順番) |
| 見積にあった整備・部品の行 | 無くなった行・金額が変わった行 | 行わなかった作業が請求されていないか。点検整備記録簿の結果欄と合うか |
| 値引き行(マイナスの行) | 無くなった行・金額が変わった行 | 値引きの条件が請求に反映されているか |
| 合計(税込または税別) | 合計 | 税込・税別の表示がそろっているか |
差が出やすい行の種類と確認の質問
- 追加整備の行。国土交通省の指導要領では、見積の交付後に見積金額が変わる整備の必要性が見つかったときは、あらかじめ依頼者の了解がある場合を除き、原則として追加整備の内容と変更後の概算見積りを連絡し、承諾を得てから作業するものとされています。事業者は、承諾年月日・整備の内容・変更後の概算見積りの額を手元の控えに記載または記録しておくものとされています(概算見積書)。
質問の例:「この行は、いつ、誰の承諾で追加されましたか。承諾年月日と変更後の見積額の控えを見せてもらえますか。」 - 預り法定費用の行。検査手数料・重量税・自賠責保険料は依頼先が代わりに納める費用で、金額は法令や制度で決まります。重量税や自賠責保険料は車の区分と有効期間で変わるため、見積と請求で数字が違うときは、車検証の区分と照らして確かめます。
質問の例:「この法定費用の区分と期間は、車検証のどの欄の情報で決まっていますか。」 - 値引きの行。見積書にあった値引きの行が請求書に無い、または額が小さい場合は、値引きの条件(キャンペーン、他の整備との組み合わせなど)が変わっていないかを確かめます。
質問の例:「見積にあった値引きの行が請求に無いのはなぜですか。」 - 行わなかった作業の行。行っていない点検・整備の料金を請求することは、してはならないとされています(指導要領)。点検整備記録簿の結果欄と請求の行を突き合わせます(点検整備記録簿の記載事項、記号の意味は点検結果の記号)。
質問の例:「この行の作業は、記録簿のどの項目に当たりますか。」
受け取った書類の側から見積書の行を確かめる方法は車検の引取り時に受け取る書類と見積書の行の照らし方にあります。
見積を受け取ってから引取りまでの手順の全体は見積書を受け取ってから引取りまでの手順チェックリストに、見積書の行の仕分けは見積書の1行ごとの仕分け早見表にあります。
請求先が法人やリース会社になる場合の見積の見方は、法人・リース・社用車の車検見積の見方(請求先・預り法定費用・メンテナンスリース)にまとめています。
見積書と請求書を並べた記入例(金額は読み方を示すための例)
手元の2枚を、次の形で書き写すと、差が出た行が一目で分かります。金額は実際の相場ではなく、足し引きの読み方を示す例です。
| 行 | 見積書 | 請求書 | 差 | 次に確かめること |
|---|---|---|---|---|
| 預り法定費用(3行の合計) | ○円 | ○円 | 0円 | 差が無ければ、車検証の区分と法定費用早見表で一度だけ確かめます |
| 車検基本料 | ○円 | ○円 | 0円 | 変更が無ければ、確認は不要です |
| ブレーキ・パッド(前)部品代 | 無し | ○円 | +○円 | 新しく出た行です。追加整備の承諾年月日と、変更後の概算見積りの控えを聞きます |
| 値引き | -○円 | 無し | +○円 | 見積書にあった値引きの条件が、請求時に変わっていないかを聞きます |
| 合計 | ○円(税込) | ○円(税別) | 表示がずれている | 税込・税別をそろえてから、差を計算し直します |
合計の差を、新しく出た行の合計と、値引きなど減った行の合計に分けて足し引きし、差の理由が行ごとに説明できるかを確かめます。説明のつかない差が残る行だけを、依頼先に質問します。質問のときは、電話で済ませず、答えを書面かメールで控えておくと、後で読み合わせができます。
よくある質問
Q. 請求書の金額が見積書より増えていたとき、まず何を確かめますか。
合計だけでなく、見積書と請求書の行を並べて、増えた行・減った行・新しく出た行に分けます。預り法定費用の3行は法定費用早見表と合うか、新しく出た行は追加整備の承諾があったか、税込・税別の表示がそろっているかを順に確かめます。差が出た理由が正当かどうかは、このページでは判定しません。
Q. 見積の後に追加された整備の行は、承諾なしに請求されることがありますか。
国土交通省の指導要領では、見積の交付後に見積金額が変わる整備の必要性が見つかったときは、あらかじめ依頼者の了解がある場合を除き、原則として追加整備の内容と変更後の概算見積りを連絡し、承諾を得てから作業するものとされています。事業者は承諾年月日・整備の内容・変更後の概算見積りの額を控えに記録するものとされているので、その控えを見せてもらえるか聞けます。
Q. 行っていない作業の料金が請求書に載っているときは、どう確かめますか。
指導要領では、行っていない点検・整備の料金を請求することは、してはならないとされています。請求書の行が、点検整備記録簿のどの項目に当たるかを突き合わせます。個別の請求が遵守事項に反するかどうかは、このページでは判定しません。
このページでできること・できないこと
ここで示しているのは、見積書と請求書の行を並べて確かめる順番と、法令・指導要領に書かれた事業者の遵守事項の範囲です。個別の請求が遵守事項に反するかどうか、請求額が妥当かどうかは判定しません。契約や支払いの争いにあたる相談は、このサイトの範囲外です。
出典(確認日2026-10-08):
- e-Gov法令検索「道路運送車両法施行規則」第62条の2の2https://laws.e-gov.go.jp/law/326M50000800074
- 国土交通省「自動車整備事業の取扱い及び指導要領」第3https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001899927.pdf
- 国土交通省「車検の費用の基礎知識」https://www.mlit.go.jp/jidosha/kensatoroku/sikumi/houteihiyou.pdf
- 国税庁「No.6201 非課税となる取引」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6201.htm
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