サイドスリップの検査と、ホイールアライメントの測定・調整は別の行
車検で測る「サイドスリップ」と、見積書に出る「ホイールアライメントの測定・調整」は、名前が近いため同じものに見えやすい行です。公的な資料で確認できたことを、次の表に分けました。
| 項目 | 資料の文言 | 見積書の読み方 |
|---|---|---|
| サイドスリップ(車検の検査) | 細目告示第169条第1項第1号ル: 4輪以上の自動車のかじ取車輪をサイドスリップ・テスタを用いて計測した場合の横滑り量が、走行1mについて5mmを超えるものは適合しない。ただし、自動車製作者等が安全な運行を確保できるものとして指定する横滑り量の範囲内にある場合はこの限りでない | 検査の基準値は「横滑り量」。検査の場で測られる項目 |
| 審査事務規程の扱い | 9-2(1): かじ取車輪をサイドスリップ・テスタを用いて計測した場合の横滑り量が走行1mについて5mmを超えてはならない。9-2(2): テスタを用いて審査することが困難であるときに限り、走行その他の適切な方法により審査する | 検査の方法も、テスタで横滑り量を測る形で書かれている |
| ホイール・アライメント(定期点検の項目) | 自動車点検基準の別表第6(自家用乗用自動車等)で、かじ取り装置の点検に「ホイール・アライメント」があり、2年ごとの点検の側に入っている(定期点検の項目一覧、足まわりの点検と交換) | 項目の名前は点検の側にある。点検の項目が、測定や調整の作業をどこまで含むかは、条文の文言だけでは分からない |
| アライメントの語 | 細目告示第169条(取得した本文)と、審査事務規程の全文には、「アライメント」の語は確認できなかった | 検査の基準に、アライメントの測定値や調整が書かれているのは確認できなかった |
つまり、検査で見られるのは横滑り量、見積書の「アライメント測定・調整」は定期点検の項目名と同じ語を使った作業の行、という関係です。見積書に行があるのは、点検の結果を踏まえて整備として提案される場合や、依頼先が設定する任意の整備として載る場合が考えられます。どちらにあたるかは、見積書の備考か依頼先に聞いて確かめます。
アライメントの行が見積に出たときの仕分けと聞くこと
| 見積書の行 | 仕分け | 聞くこと |
|---|---|---|
| サイドスリップ検査・サイドスリップ調整 | 検査にあたる語。検査の手数料は法定費用の側(法定費用早見表)。調整の作業が必要になった場合は、整備の行 | 検査で基準を超えたための調整か、検査の前の事前の調整か |
| ホイールアライメントの測定 | 点検基準の項目名と同じ語。法定費用ではなく、点検・整備側の行 | 定期点検の項目としての点検か、別に設定された測定の作業か。測定だけか、調整も含むか |
| ホイールアライメントの調整 | 測定の結果を受けた整備の作業。法定費用ではない | 測定の結果(調整の前後の値)を見せてもらえるか。どの部品の調整・交換を伴うか |
| 足まわり部品の交換とあわせたアライメント調整 | 部品の交換の行と、調整の行は別。部品代と工賃の別も分ける | 部品の交換の行と、調整の行が重なって数えられていないか |
「検査に通るために必要か」は、サイドスリップの検査結果で決まります。検査の結果でなく見積の提案だけを見て、アライメントの調整の要否は判断できません。ここでは要否を判定しません。追加で勧められたときは追加整備を勧められたときの確認の順番、不適合の項目の読み方は検査の不適合項目と見積書の読み方にあります。
見積の行の読み合わせ例(検査不合格に関わる行か・任意の整備か・再検査の対象か)
架空の行の呼び名を、このページの確認結果に当てはめた例です。金額は載せていません。
| 見積書の行の呼び名(例) | 検査の不合格に関わる行か | 任意の整備か | 再検査の対象か |
|---|---|---|---|
| サイドスリップ調整 | 検査の基準は横滑り量(走行1mで5mm超は適合しない)。検査で超えた場合に関わる | 検査の前に事前に勧められた場合は、依頼先の提案 | 検査で不適合となった項目の再検査は再検査のページで確認する |
| ホイールアライメント測定 | 検査の基準にアライメントの語は確認できなかった | 点検の項目名と同じ語。点検結果を踏まえた提案か、依頼先設定の作業か | 検査の不適合の項目ではないため、対象になるかは検査の結果で決まる |
| ホイールアライメント調整 | 同上 | 測定の結果を受けた整備。要否は条文からは決まらない | 同上 |
どの行も、要否の判定ではありません。聞くことは上の仕分けの表にあります。
よくある質問
Q. サイドスリップ検査に通らなかったら、アライメント調整が必要ですか。
検査の基準は横滑り量で、アライメントの測定値は書かれていません。どの作業で横滑り量を基準内にするかは、検査の結果と依頼先の説明で確かめます。このページでは要否を判定しません。
Q. 見積にアライメントの行があると、車検の費用に入りますか。
検査手数料は法定費用ですが、アライメントの測定・調整は法定費用ではなく、依頼先が設定する整備の行です。
Q. 見積の「ホイールアライメント測定」は、定期点検の項目ですか。
自動車点検基準の別表第6に、かじ取り装置の点検として「ホイール・アライメント」の項目名があります。ただし、点検の項目が測定や調整の作業をどこまで含むかは、条文の文言だけでは分かりません。点検としての行か、別に設定された測定の作業か、調整も含むかを依頼先に聞きます。
このページでできること・できないこと
ここで示しているのは、車検のサイドスリップの検査の基準と、点検基準の項目名の位置づけ、見積書の行の仕分けの考え方です。個別の車でアライメントの調整が必要かどうか、見積の金額が妥当かどうかは判定しません。
出典(取得・確認日 2026-10-12): 国土交通省 道路運送車両の保安基準の細目を定める告示 第169条、自動車技術総合機構 審査事務規程 第9章9-2、e-Gov法令検索「自動車点検基準」別表第6。