定期点検(別表第6)にあるのは液漏れ・油漏れの点検で、交換は書かれていません
自家用乗用自動車等の定期点検基準(自動車点検基準の別表第6)で、ブレーキの液とエンジンオイルに関わる項目は次の2つです。ブレーキフルードやエンジンオイルを交換する作業も、その時期や走行距離も、別表第6には書かれていません。
| 見積書の行 | 別表第6の点検の項目 | 点検の時期 |
|---|---|---|
| ブレーキフルード交換 | マスタ・シリンダ、ホイール・シリンダ、ディスク・キャリパの「液漏れ」(機能・摩耗・損傷も点検) | 液漏れは1年ごと、機能・摩耗・損傷は2年ごと |
| エンジンオイル交換 | 原動機の潤滑装置の「油漏れ」 | 1年ごと |
つまり、定期点検(12ヶ月点検・24ヶ月点検)の料金で行うのは、液や油が漏れていないかを見る点検です。見積書に「交換」の行が別にあるときは、定期点検の項目とは別の整備(交換の作業と、フルードやオイルなどの部品代)として書かれている行だと読めます。
量の確認は日常点検の項目(別表第2)にあります
同じ自動車点検基準の別表第2(自家用乗用自動車等の日常点検基準)には、次の項目があります。
- ブレーキ:「ブレーキの液量が適当であること」
- 原動機:「エンジン・オイルの量が適当であること」
日常点検は、使用者(車の持ち主)が自分で行う点検として定められたものです(道路運送車両法第47条の2)。量が適当かどうかを見る項目で、交換の時期を定めた項目ではありません。
見積書と読み合わせるときの注意
- 「点検の料金」と「交換の料金」は別の行になり得ます。12ヶ月点検や24ヶ月点検の料金に液漏れ・油漏れの点検は含まれますが、フルードやオイルの交換が含まれるかどうかは、見積書の内訳か依頼先への確認で分かります。含まれるのかを確かめる質問の例は12ヶ月点検の見積書の項目の読み方にあります。
- 交換の目安は法令の基準ではありません。「車検ごと」「3,000〜5,000kmごと」といった目安は、メーカーの整備書や整備工場の案内によるものです。このサイトのエンジンオイル・ブレーキフルードの項も、一般的な案内の紹介で、交換の要否を断定するものではありません。
- メーカーの指定は車ごとに違います。車の取扱説明書やメンテナンスノートにある交換の時期の案内が、その車についての基準になります。
- 法定費用ではありません。フルードやオイルの交換は、検査手数料・重量税・自賠責保険料のような法定費用とは別に、依頼先が設定する整備の費用です(仕分けの考え方は車検見積書の費目チェックリスト)。
点検項目の全体は定期点検の項目一覧(1年ごと29項目・2年ごと60項目)、冷却水・ファンベルト・ワイパー・バッテリーは交換は定期点検のどこにあたるかで確認できます。
見積の行の読み合わせ例(行の呼び名・点検の項目・依頼先に聞くこと)
見積書の行を、このページの条文の整理に当てはめた例です。「交換するかどうか」の判断は、条文からは決まりません。
| 見積書の行の呼び名(例) | 別表第6の点検の項目にあたるか | 交換の位置づけ | 依頼先に聞くこと |
|---|---|---|---|
| ブレーキフルード交換 | 項目にあるのは液漏れ(1年ごと)と、機能・摩耗・損傷(2年ごと)の点検 | 交換は点検基準に書かれていない。依頼先が設定する整備の行 | 点検の結果を受けた提案か、距離や年数の目安の提案か。メーカー指定の時期との関係 |
| エンジンオイル交換 | 項目にあるのは油漏れの点検(1年ごと) | 交換は点検基準に書かれていない。量の確認は日常点検(別表第2) | オイルの種類は取扱説明書の指定か。オイルの代金と交換の作業料は別の行か |
| オイル漏れ点検・液漏れ点検 | 項目にある | 点検の行。12ヶ月点検・24ヶ月点検の料金に含まれる点検の一部 | 点検の料金とは別に、交換の行が立っているか |
どの行も、法定の合否基準ではありません。「点検の項目にあたる」ことと「交換が必要」であることは別で、後者は車ごとのメーカーの指定と、点検で見つかった状態によります。
よくある質問
Q. ブレーキフルードやエンジンオイルの交換は、車検の合否や定期点検の項目になっていますか。
自動車点検基準の別表第6(定期点検)にあるのは、ブレーキの液漏れ(1年ごと)、ブレーキの機能・摩耗・損傷(2年ごと)、原動機の油漏れ(1年ごと)の点検で、フルードやオイルを交換する作業と時期は書かれていません。見積書の「交換」の行は、点検の項目とは別に依頼先が設定する整備の行と読めます。
Q. ブレーキフルードやエンジンオイルの交換の時期は、法令で決まっていますか。
法令には交換の時期や走行距離の定めはありません。「車検ごと」「3,000〜5,000kmごと」といった目安は、メーカーの整備書や整備工場の案内によるもので、法定の合否基準ではありません。その車の基準は、取扱説明書やメンテナンスノートにあるメーカーの指定です。
Q. 見積書のブレーキフルード・エンジンオイルの交換の行は、法定費用ですか。
法定費用ではありません。法定費用は検査手数料・重量税・自賠責保険料で、フルードやオイルの交換は依頼先が設定する整備の費用です。オイルの代金と交換の作業料が別の行か、点検の料金に交換が含まれるかは、見積書の内訳か依頼先への確認で分かります。
対象範囲と出典
法令に書かれた点検の項目の範囲を示すページで、個別の車の交換の要否や、交換の費用が妥当かどうかは判定しません。
出典(確認日2026-10-07):
- e-Gov法令検索「自動車点検基準」別表第6(自家用乗用自動車等の定期点検基準)・別表第2(自家用乗用自動車等の日常点検基準)https://laws.e-gov.go.jp/law/326M50000800070
- 国土交通省「点検整備の種類」https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha/tenkenseibi/tenken/t1/t1-2/