時期と見積の行の結びつきは法令になく、点検の項目かどうかは行ごとに決まっている
自動車点検基準(別表第2・別表第6)には、季節ごとの点検や交換の定めはありません。下の暦の「時期」は、使う場面が増える前に見積や案内に出ることがある、というこのサイトの整理であり、その月に必ず交換する、という意味ではありません。車検や12ヶ月点検の見積に季節の提案の行が混ざったときに、その行が点検の料金に入る点検なのか、別の整備なのかを読み分けるために使ってください。
| 時期の目安 | 見積に出ることのある行 | 定期点検(別表第6)・日常点検(別表第2)での位置づけ | くわしいページ |
|---|---|---|---|
| 冷房を使い始める前(春から初夏) | エアコンガス(冷媒)補充、エアコンクリーニング、エバポレーター洗浄、コンプレッサー | 「冷媒」「エアコン」「コンプレッサ」「エバポレータ」の語は両別表に出てこない(項目なし) | エアコンの行は法定点検の項目か |
| 同じ時期(エアコンフィルター) | エアコンフィルター交換 | 項目なし。なお、エアクリーナー(エンジンの空気の吸入側)は定期点検にエレメントの状態の項目がある | エアクリーナー・エアコンフィルター・スパークプラグ |
| 雨の日が増える前(梅雨入り前) | ワイパーゴム・ブレード交換、ウォッシャー液 | 定期点検に項目なし。日常点検に「ワイパーの払拭状態が不良でないこと」とウォッシャ液の量・噴射状態がある | 冷却水・ファンベルト・ワイパー・バッテリー、ワイパー・ホーンと保安基準 |
| 夏の暑さのあと〜冬前(秋) | バッテリー交換(アイドリングストップ車用を含む) | 定期点検はターミナル部の接続状態、日常点検は液量。交換の時期の定めはない | アイドリングストップ車用バッテリーの節 |
| 冬前(晩秋) | 冷却水(LLC)交換、ファンベルト交換 | 冷却水は水漏れ(定期点検)と量(日常点検)の確認、ファンベルトは緩みと損傷の点検。交換の定めはない | 同上 |
季節との関係を出典で確かめられたのはバッテリーだけ
日本自動車連盟(JAF)は、夏季の夜間に雨で渋滞すると、エアコン・ヘッドライト・ワイパーなどが同時に動いてバッテリーを消耗し、夏の厳しい使用で弱ったバッテリーが冬にトラブルを起こすことも考えられる、と案内しています。同じ案内では、バッテリーの寿命は一般的に2〜3年といわれ、使い方によって大きく異なるとしています。ただし、これは1つの団体の一般的な案内であり、法定の合否基準でも、交換を要する根拠でもありません。エアコンやワイパーについて、時期と提案の結びつきを示す資料は、今回は確認できていません。
季節の提案の行を読むときの注意
- 点検の料金と別の行かを分ける。日常点検・定期点検の項目にある点検は、12ヶ月点検や24ヶ月点検の点検料金の中身です。交換や補充は、部品代と作業の行として別に立ちます。見積書での確かめ方は12ヶ月点検の見積書の項目の読み方にあります。
- 承諾してから作業になる行です。季節の提案は、車検の合否に必要な整備とは限りません。追加の整備を依頼するかの確認は追加整備の確認に、部品代の読み方は「部品、油脂代」にあります。
- 交換の要否は判定しません。その車の状態に合った時期は、取扱説明書とメンテナンスノートの案内と、依頼先の説明によります。
車検の受検時期と見積を取る時期は車検・12ヶ月点検・自動車税の時期の早見表にあります。受検日が2026年11月1日をまたぐ場合の自賠責は2026年11月1日の自賠責改定の前後で車検を受けるときで確認できます。新旧の料率は保険期間の始期が2026年11月1日以降かどうかで分かれるため、受検時期を前後させて選ぶ場合は自賠責保険料の新旧早見表で金額を並べて確認できます。
よくある質問
Q. 季節の提案として見積に出た行は、定期点検の項目ですか。
行ごとに異なります。エアコンの冷媒やコンプレッサー、エアコンフィルターは、自動車点検基準の別表第6・別表第2に項目がありません。ワイパーは日常点検にワイパーの払拭状態とウォッシャ液の量・噴射状態の項目があり、バッテリーは定期点検にターミナル部の接続状態、日常点検に液量の項目があります。点検の項目にある点検は点検料金の中身で、交換や補充は部品代と作業の行として別に立ちます。
Q. 暦に書かれた時期になったら、交換したほうがよいのですか。
そうとは言えません。自動車点検基準には、季節ごとの点検や交換の定めはありません。暦の時期は、使う場面が増える前に見積や案内に出ることがある、というこのサイトの整理です。その車に合った時期は、取扱説明書とメンテナンスノートの案内と、依頼先の説明によります。交換の要否は、このページでは判定しません。
Q. 季節と部品の関係は、出典で確かめられていますか。
確かめられたのはバッテリーだけです。日本自動車連盟(JAF)は、夏季の厳しい使用で弱ったバッテリーが冬にトラブルを起こすことも考えられると案内し、寿命は一般的に2〜3年といわれ、使い方によって大きく異なるとしています。ただし、1つの団体の一般的な案内であり、法定の合否基準でも交換を要する根拠でもありません。エアコンやワイパーについて、時期と提案の結びつきを示す資料は確認できていません。
このページでできること・できないこと
ここで示しているのは、季節ごとに見積に出ることのある行と、法令の点検の項目との対応です。個別の車で交換が必要かどうか、見積の費用が妥当かどうかは判定しません。スタッドレスタイヤなどタイヤの選定は、このサイトの対象外です。
出典(確認日2026-10-14):
- e-Gov法令検索「自動車点検基準」別表第6・別表第2https://laws.e-gov.go.jp/law/326M50000800070(各行の確認内容は上の個別ページに記載)
- JAF クルマ何でも質問箱「バッテリー上がりの原因と症状、点検方法とは?」https://jaf.or.jp/common/kuruma-qa/category-inspection/subcategory-everyday/faq185