車検のワイパー交換・ホーンの基準と、見積の行(ウォッシャー液・デフロスタ含む)の対応

車検の見積書にワイパー交換の行があるときの根拠は、細目告示第147条第1項の「老化等により著しく機能が低下しているブレードは基準に適合しない」です。使用年数や走行距離の目安は条文にありません。ウォッシャー液・デフロスタは同条第3項、ホーン(警音器)は保安基準第43条と細目告示第141条(音量93dB以上112dB以下)にあたります。見積書の各行がどの文言にあたるかを、条文で確認しました。

ワイパーブレード交換の行: 細目告示第147条のブレード老化の定め

保安基準第45条第1項は、前面ガラスに自動式の窓ふき器(ワイパー)を備えることを定めています。細目告示第147条第1項は、その基準を「前面ガラスの直前の視野を確保できる自動式の窓ふき器(左右に備える場合は同時に作動するもの)」とし、続けて「窓ふき器のブレードであって、老化等により著しく機能が低下しているものは、この基準に適合しないものとする」と書いています。

本サイトの冷却水・ファンベルト・ワイパー・バッテリーのページで確認したとおり、定期点検(別表第6)にワイパーの項目はなく、日常点検(別表第2)には「払拭状態が不良でないこと」があります。ここで確認できたのは、それとは別に、車検の合否の側の基準(保安基準・細目告示)にも、ブレードの老化に触れた文言があることです。

見積書の行条文の文言読み方
ワイパーブレード(ゴム)交換細目告示第147条第1項: 老化等により著しく機能が低下しているブレードは基準に適合しない基準にあるのは「著しく機能が低下している」状態。使用年数や走行距離の目安は条文にない。ふき取りの状態や拭きムラ、びびりを工場に見せてもらえるかを聞く
ワイパーのアーム・モーターの交換同第1項: 前面ガラスの直前の視野を確保できる自動式のもの、左右ある場合は同時に作動するもの作動しない、片側だけ動くといった状態が基準に関わる。部品代が高い行なので、どの状態を根拠にしているかを聞く
撥水コート、油膜取り(ガラス面)窓ふき器の基準に、これらを求める文言は確認できなかった視界を良くするための任意の作業。見積書で車検の整備の行と別に書かれているかを見る

なお、第2項は、指定自動車等(型式の指定などを受けた車)に付いている窓ふき器と同一の構造・位置のもので、機能を損なうおそれのある損傷がないものは第1項の基準に適合するとしています。純正のブレードと同じ構造のものを付ける場合の扱いにあたるため、社外品を勧められたときは、純正と同じ構造かどうかを聞く材料になります。

ウォッシャー液・デフロスタの行: 細目告示第147条第3項

保安基準第45条第2項は、洗浄液噴射装置(ウォッシャー)とデフロスタ(前面ガラスの曇りを除く装置)を備えることを定めています。ただし、大型特殊自動車、農耕作業用小型特殊自動車、最高速度20km/h未満の自動車は除かれ、車室と車体外を仕切れない自動車ではデフロスタは不要とされています。

見積書の行条文の文言(細目告示第147条第3項)読み方
ウォッシャー液の補充・ノズルの調整前面ガラスの外側が汚染された場合に、前面ガラスの直前の視界を確保するのに十分な洗浄液を噴射するもの。洗浄液が窓ふき器の払しょく範囲内にあたるものは適合基準は「十分に噴射し、ワイパーの範囲内にあたる」こと。液の補充そのものの量や頻度は条文にない。ノズルの向きの調整は、この範囲内にあたるかどうかに関わる
デフロスタの修理(ヒーター・送風の不具合)乗用の普通・小型・軽自動車で乗車定員10人以下のものは、前面ガラスの曇りに対して、直前の視野を速やかに確保する性能を有するもの曇りが取れない症状が基準に関わる。エアコンのクリーニングやガス補充の行とは別の話で、エアコン関連の行の記載を合わせて見る
(共通)走行中の振動、衝撃等により損傷を生じ、又は作動するものでないことホースの外れや、ノズルの脱落のような状態にあたる

ホーン(警音器)の行: 細目告示第141条の音量・音色の数値

保安基準第43条は警音器を備えること、細目告示第141条はその基準を定めています。条文から確認できる主な内容は次のとおりです。

見積書の行条文の文言読み方
ホーンの交換・修理(鳴らない、音が小さい)第141条第2項第1号: 自動車の前方7mの位置で112dB以下93dB以上(動力が7kW以下の二輪自動車は112dB以下83dB以上)音の大きさには下限と上限の数値がある。「音が小さい」は、この範囲内にないおそれがあるときにあたる。計測は音量計で行うと第3項に書かれている
社外ホーン、ミュージックホーン、サイレン音のホーンの取付け第141条第1項: 音が連続するもので、音の大きさ・音色が一定なもの。音が自動的に断続するもの、音の大きさや音色が自動的に変化するもの、運転者が運転席で音の大きさや音色を容易に変えられるものは基準に適合しない。第2項第2号: サイレン又は鐘でないこと後付け用品の行として出てきたときに、音が断続・変化しないか、サイレンや鐘でないかを確認する根拠になる。保安基準第43条第4項は、警音器と紛らわしい音を車外に発する装置も、緊急自動車などを除いて備えてはならないとしている
後退時のブザー、盗難警報のブザー保安基準第43条第4項ただし書: 右左折・進路変更・後退時に歩行者等に知らせるブザなどや、盗難・車内の事故などの緊急事態を知らせるブザなどは、この限りでない警音器と紛らわしいものの禁止から外されているもの。ただし書きの範囲にあたるかどうかの個別の判断は、このページではしない

平成15年12月31日以前に製作された自動車は、第141条第4項により、前方2mの位置で高さ1mの測定(聴感補正回路はC特性)もできるとされています。測定の方法の細目は条文の本文を確認してください。

よくある質問

Q. ワイパーブレードの交換は、車検の合否に関わりますか。

細目告示第147条第1項に、窓ふき器のブレードであって、老化等により著しく機能が低下しているものは適合しないと書かれています。使用年数や走行距離の目安は条文にありません。ふき取りの状態や拭きムラを工場に見せてもらえるかを聞きます。

Q. ウォッシャー液の補充は、車検の基準にありますか。

細目告示第147条第3項は、前面ガラスの外側が汚染された場合に、直前の視界を確保するのに十分な洗浄液を噴射し、窓ふき器の払しょく範囲内にあたることを求めています。液の補充の量や頻度は条文にありません。

Q. 社外品のホーンに替えると、車検に通りますか。

細目告示第141条は、音が連続し大きさと音色が一定であること、サイレン又は鐘でないことを求め、音が自動的に断続・変化するものなどは適合しないとしています。音の大きさは、前方7mの位置で112dB以下93dB以上です。個別の車が通るかどうかは、このページでは判定しません。

見積書で聞くときの順番と、このページでできないこと

  1. 行名が「ワイパー」「ウォッシャー」「デフロスタ」「ホーン」のどれかを確認する。
  2. 上の表の「条文の文言」のうち、どの状態(老化・作動しない・噴射が足りない・音が小さい・音が断続するなど)を根拠にした提案かを、工場に聞く。
  3. 状態の根拠がなく、使用年数だけの提案なら、その年数はメーカーや工場の目安で、保安基準の文言とは別のものとして扱う。

ここで示しているのは、見積書の行と条文の文言の対応です。個別の車で交換や修理が必要かどうか、提案の金額が妥当かどうかは判定しません。区分の全体は行の種類別ページ案内、検査で見られる項目の一覧は検査で不適合になる項目と見積の行にあります。

出典(取得・確認日 2026-10-12): e-Gov法令検索「道路運送車両の保安基準」第43条・第45条、国土交通省道路運送車両の保安基準の細目を定める告示 第141条(警音器)、同第147条(窓ふき器等)。

このサイトは、車検の見積に関する一般的な情報を提供するものであり、個別の車の点検整備の要否を判定・保証するものではありません。実際の扱いは整備工場と国土交通省の案内でご確認ください。