別表第6にあるのはエア・クリーナ・エレメントと点火プラグの点検で、エアコンフィルターはない
自家用乗用自動車等の定期点検基準(自動車点検基準の別表第6)で、3つの部品に関わる項目は次のとおりです。どの部品についても、交換する作業も、交換の時期や走行距離も、条文には書かれていません。
| 見積書の行 | 定期点検(別表第6)の項目 | 条文の注 |
|---|---|---|
| エアクリーナー(エアフィルター)交換 | 原動機の本体の「エア・クリーナ・エレメントの状態」(1年ごとの点検に含まれる) | 走行距離が1年あたり5千km以下の自動車は、前回その点検を行うべき時期に行わなかった場合を除き、行わないことができる |
| スパークプラグ(点火プラグ)交換 | 電気装置の点火装置の「点火プラグの状態」(1年ごとの点検に含まれる) | 白金プラグまたはイリジウム・プラグの場合は、点検を行わないことができる。走行距離の注(上と同じ)もある |
| エアコンフィルター(キャビンフィルター・室内フィルター)交換 | 項目なし | 定期点検基準(別表第6)にも日常点検基準(別表第2)にも、この部品の項目は書かれていない |
つまり、定期点検の料金で行うのは、エア・クリーナのエレメントや点火プラグの状態を見る点検です。見積書に「交換」の行が別にあるときは、点検の項目とは別の整備(交換の作業と部品代)として書かれている行だと読めます。エアコンフィルターは、定期点検の項目にない部品なので、見積に出る場合は法令の点検とは関係のない整備の提案として読みます。交換するかどうかは、このページでは判定しません。
部品ごとの仕分け
- エアクリーナー:点検するのはエレメント(ろ過する部品)の状態で、交換の時期は条文にありません。見積の「エアクリーナーエレメント交換」は、点検の結果とは別の整備の行です。
- スパークプラグ:点検の対象は点火プラグの状態です。白金プラグやイリジウム・プラグは、条文の注で点検を省くことができるとされています。見積にプラグの交換が出ているときは、プラグの種類と交換の理由を見積書の備考か依頼先に確認する材料になります。
- エアコンフィルター:定期点検にも日常点検にも項目がありません。見積書の交換の行は、点検の料金には含まれない、依頼先が設定する整備の費用です。同じエアコン関連で、冷媒(ガス)補充・クリーニング・コンプレッサーの行は法定点検の項目かで仕分けています。
日常点検は、使用者(車の持ち主)が自分で行う点検として定められたものです(道路運送車両法第47条の2)。3つの部品は、日常点検の項目にも入っていません。
見積書と読み合わせるときの注意
- 「点検の料金」と「交換の料金」は別の行になり得ます。12ヶ月点検や24ヶ月点検の料金に含まれる点検と、交換の行が重なっていないかは、見積書の内訳か依頼先への確認で分かります。確かめる質問の例は12ヶ月点検の見積書の項目の読み方にあります。
- 交換の目安は法令の基準ではありません。走行距離や年数の目安は、メーカーの整備書や整備工場の案内によるもので、定期点検や車検の合否を決める基準ではありません。このサイトのエアクリーナーフィルター・スパークプラグの項も、一般的な案内の紹介で、交換の要否を断定するものではありません。
- メーカーの指定は車ごとに違います。車の取扱説明書やメンテナンスノートにある案内が、その車についての基準になります。見積書の距離の照合は走行距離での交換提案とメンテナンスノートの照合にあります。
- 法定費用ではありません。3つの交換は、検査手数料・重量税・自賠責保険料のような法定費用とは別に、依頼先が設定する整備の費用です(仕分けの考え方は車検見積書の費目チェックリスト)。部品代の行の読み方は車検見積書の「部品、油脂代」にあります。
点検の項目の全体は定期点検の項目一覧(1年ごと29項目・2年ごと60項目)に、追加整備を勧められたときの順番は追加整備を勧められたときの確認の順番に並べています。
よくある質問
Q. エアコンフィルターの交換は、定期点検に含まれますか。
含まれません。定期点検基準(別表第6)にも日常点検基準(別表第2)にも、この部品の項目は書かれていません。見積書の交換の行は、点検の料金には含まれない、依頼先が設定する整備の費用です。
Q. エアクリーナーやスパークプラグの交換時期は、法令で決まっていますか。
決まっていません。条文にあるのはエレメントの状態や点火プラグの状態を見る点検で、交換する作業も、交換の時期や走行距離も書かれていません。目安はメーカーの整備書や整備工場の案内によるものです。
Q. 見積の3つの交換の行は、法定費用ですか。
法定費用ではありません。検査手数料・重量税・自賠責保険料とは別に、依頼先が設定する整備の費用です。12ヶ月点検や24ヶ月点検の料金に含まれる点検と、交換の行が重なっていないかは、見積書の内訳か依頼先への確認で分かります。
このページでできること・できないこと
ここで示しているのは、法令に書かれた点検の項目の範囲です。個別の車でエアクリーナー・エアコンフィルター・スパークプラグの交換が必要かどうか、見積書の交換の費用が妥当かどうかは判定しません。
出典(確認日2026-10-08):
- e-Gov法令検索「自動車点検基準」別表第6(自家用乗用自動車等の定期点検基準)・別表第2(日常点検基準)https://laws.e-gov.go.jp/law/326M50000800070
- 国土交通省「点検整備の種類」https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha/tenkenseibi/tenken/t1/t1-2/