ガソリン車との違いは重量税の区分。別表第6に高電圧装置の項目なし
自家用乗用自動車等の定期点検基準(自動車点検基準の別表第6)は、動力の種類で項目を分けていません。条文を確認したところ、「ハイブリッド」「電気自動車」「高電圧」の語は別表第6にも日常点検基準(別表第2)にもありません。見積書の行は次のように仕分けられます。
| 見積書の行 | ガソリン車との違い | 根拠 |
|---|---|---|
| 検査手数料・自賠責保険料 | 動力の種類では決まらない(検査手数料は車の区分と検査の種類、自賠責は車種区分と期間で決まる) | 法定費用早見表 |
| 自動車重量税 | エコカー減税の区分で変わる。電気自動車・燃料電池自動車・プラグインハイブリッド車は、新車で免税を受けていれば初回車検でも免除。プラグインでないハイブリッド車は、この「電気自動車等」の区分に入らない(国税庁の資料の区分表) | エコカー減税と初回車検の重量税 |
| 点検料金(12ヶ月点検・24ヶ月点検) | 基準の項目は動力で分かれていない。エンジンがない電気自動車には、点火プラグなどエンジンまわりの項目が当てはまらない場合がある | 別表第6 |
| ハイブリッドシステム点検・高電圧バッテリー点検などの行 | 別表第6に項目がないため、法令の点検の項目ではない行として読む。メーカーが指定する点検か、依頼先が設定する整備の費用かを見積書の備考か依頼先に確認する | 別表第6に該当語なし |
| 補機バッテリー(12V)の交換 | 定期点検の項目は「ターミナル部の接続状態」だけで、交換は含まれない(バッテリーの行の仕分け) | 交換と定期点検の別 |
水素などの圧縮ガスを燃料にする自動車(燃料電池自動車を含む)には、別表第6に高圧ガスを燃料とする装置の項目があり、導管・継手部のガス漏れや容器の損傷を点検する形で定められています。
補機バッテリー(12V)と駆動用バッテリーの行の仕分け(点検・交換・メーカー保証)
バッテリーという語は、見積書で2種類の行に出ます。12Vの補機バッテリーと、走行のためのハイブリッドシステム・電気自動車の駆動用バッテリーです。公的な資料で確認できた位置づけは次のとおりです。
| 見積書の行 | 確認できた位置づけ | 聞くこと |
|---|---|---|
| 補機バッテリー(12V)の点検 | 自動車点検基準の日常点検(別表第2)に「バッテリ: 液量が適当であること」、定期点検(別表第6)に電気装置の「ターミナル部の接続状態」(1年ごと)がある | 液量や端子の点検の行か、電圧や充電状態を測る別の点検の行か。後者は点検基準の文言にない |
| 補機バッテリー(12V)の交換 | 点検の項目に交換は含まれない(交換と定期点検の別)。交換は部品代と工賃の行になる | 交換を勧める理由が、点検の結果か、使用年数や走行距離の目安か。品名・容量と、部品代・工賃の内訳 |
| 駆動用バッテリー(高電圧バッテリー)の点検 | 自動車点検基準の別表第2・別表第6に「高電圧」の語は確認できなかった。点検基準の項目としては書かれていない | メーカー指定の点検か、依頼先独自の点検か。点検のみの料金か |
| 駆動用バッテリーの交換・修理 | 法令上の点検の項目ではない。トヨタの公式ページでは、特別保証(新車登録日から5年間または10万km走行時点のいずれか早い方まで)の対象部品の例に「ハイブリッド機構」があり、保証内容・期間は車種ごとに異なるとある。電気自動車のバッテリーは別枠の「BEVバッテリー保証」と案内されている | メーカー保証や延長保証の対象期間内ではないか。保証の対象になるかは、メンテナンスノートか販売店で確かめる(保証の条件に、メンテナンスノートに示す点検・整備を受けていることがある) |
確認できなかったこと: 保安基準での駆動用バッテリーの位置づけ、補機バッテリーの交換提案に関するメーカーの公式な基準は、確認できませんでした。そのため、バッテリーの故障の予測や、交換が必要かどうかは書きません。
見積書の行を3つに分けて読む
- 法定費用:検査手数料・重量税・自賠責保険料。動力の種類で金額が決まるのは重量税の区分(エコカー減税)で、判定は車検証と国税庁の資料で行います。
- 定期点検基準にある項目:ブレーキ・タイヤ・足まわり・電気配線などは、動力の種類に関わらず基準にあります。点検の項目は定期点検の項目一覧で確かめます。
- 基準にない行:高電圧系の点検、ハイブリッドシステムの診断などの行は、法令の点検の項目としては書かれていません。必要かどうかは、メーカーの整備書と依頼先の説明で確かめます。このページでは要否を判定しません。
電動パーキングブレーキ車のブレーキの行
電動パーキングブレーキの車のリヤパッド交換で出る専用作業や診断機の行は、ブレーキ部品の見積の行と保安基準の対応で点検基準の項目と任意の作業に分けています。
見積書と読み合わせるときの注意
- 点検の名称が依頼先ごとに違います。同じ作業でも名称がまちまちなので、車検見積書の費目名の別名対応表と見積書の作業の言葉の意味で言葉をそろえてから比べます。
- 確認の質問の例:その行はメーカー指定の点検か、法令の点検の項目か、依頼先が設定する整備か。交換や部品代を伴うのか、点検だけなのか。
- 整備の提案は法定の基準ではありません。追加の整備の確認の順番は追加整備を勧められたときの確認の順番にあります。
軽・貨物・古い車・輸入車なども含めて、車の種類ごとに見積の行の出方を並べた表は車の種類別に見積の行の出方を比べる一覧にあります。輸入車の見積については輸入車の車検見積で国産車と変わる項目を参照してください。
よくある質問
Q. 電気自動車やハイブリッド車に、法定の定期点検の項目は別にありますか。
自家用乗用自動車等の定期点検基準(自動車点検基準の別表第6)は、動力の種類で項目を分けていません。条文を確認したところ、「ハイブリッド」「電気自動車」「高電圧」の語は別表第6にも日常点検基準(別表第2)にもありません。エンジンがない電気自動車には、点火プラグなどエンジンまわりの項目が当てはまらない場合があります。
Q. 見積書に「ハイブリッドシステム点検」や「高電圧バッテリー点検」の行があります。法定の点検ですか。
別表第6に項目がないため、法令の点検の項目ではない行として読みます。メーカーが指定する点検か、依頼先が設定する整備の費用かを、見積書の備考か依頼先に確認します。このページでは要否を判定しません。
Q. ガソリン車と比べて、法定費用で変わるものはありますか。
動力の種類で金額が変わるのは自動車重量税の区分(エコカー減税)です。プラグインでないハイブリッド車は、初回車検で免除される「電気自動車等」の区分に入りません。区分の一覧と初回車検の扱いはエコカー減税と初回車検の重量税で確認できます。検査手数料と自賠責保険料は、動力の種類では決まりません。
このページでできること・できないこと
ここで示しているのは、法令に書かれた点検の項目の範囲と、重量税の区分です。個別の車で高電圧系の点検や整備が必要かどうか、見積書の費用が妥当かどうかは判定しません。
出典(確認日2026-10-08):
- e-Gov法令検索「自動車点検基準」別表第6(自家用乗用自動車等の定期点検基準)・別表第2(日常点検基準)https://laws.e-gov.go.jp/law/326M50000800070
- 国税庁「環境性能に優れた自動車等に対する自動車重量税の減免措置について」(令和8年4月改訂)https://www.nta.go.jp/publication/pamph/kansetsu/eco_car.pdf
- トヨタ自動車「メーカー保証(特別保証)」(バッテリーの節の確認日2026-10-12)