DPF・尿素SCR・燃料フィルターと定期点検基準の項目の対応表
自動車点検基準の別表第5(6か月・12か月ごと)と別表第6(1年・2年ごと)を調べると、この3つの語は書かれていません。条文に名前がないことは、交換や清掃が不要という意味でも必要という意味でもありません。点検基準の項目に載っていない作業なので、見積書では点検の料金とは別の整備の行として書かれ得る、という整理です。このページは要否を判定しません。
| 見積書の行(例) | 条文で名前がある項目 | 点検の時期 |
|---|---|---|
| DPF(粒子状物質を扱う装置)の清掃・交換 | 名前なし。近い欄は「一酸化炭素等発散防止装置」の「触媒反応方式等排出ガス減少装置の取付けの緩み及び損傷」だが、DPFがこの欄に入るかは条文から読み取れない | 別表第6は2年ごと、別表第5は12月ごと |
| 尿素SCR(尿素水の補充・関連部品) | 名前なし。DPFと同じ欄の扱いは条文から読み取れない | 同上 |
| 燃料フィルター(燃料こし器)の交換 | 名前なし。原動機の「燃料装置」で書かれているのは「燃料漏れ」の点検だけ | 別表第6は2年ごと、別表第5は12月ごと |
| EGR(排気ガス再循環)の清掃・交換 | 「排気ガス再循環装置の機能」(一酸化炭素等発散防止装置の欄) | 別表第6は2年ごと、別表第5は12月ごと |
| 排気の状態の点検・黒煙の測定 | 原動機の本体の「排気の状態」 | 別表第6は1年ごと、別表第5は6月ごと |
| エアクリーナーエレメントの交換 | 「エア・クリーナ・エレメントの状態」(点検のみ。交換は条文にない) | 別表第6は1年ごと、別表第5は6月ごと |
| マフラー・排気管の取付け確認 | 「エグゾースト・パイプ及びマフラ」の取付けの緩み及び損傷、マフラの機能 | 取付けは別表第6で1年ごと、機能は2年ごと |
| 故障診断(OBD)の結果確認 | 「その他」の「車載式故障診断装置の診断の結果」 | 別表第6は1年ごと、別表第5は12月ごと |
別表第6は自家用の乗用車や軽自動車など、別表第5は自家用の普通・小型の貨物自動車(4ナンバー)など6か月ごとの点検を行う自動車の基準です。どちらの表にあたるかは貨物・商用車の車検見積で乗用車と変わる項目で整理しています。車両総重量8トン以上の自家用自動車や事業用の自動車は3か月ごとの点検で、別表第3または別表第4にあたります。このページでは扱いません。ガソリン車のマフラー・触媒・O2センサーの行はガソリン車の見積に出る排気系の行で、点検基準と検査の対応を示しています。
見積書と読み合わせるときの注意
- 「点検」と「清掃・交換」は行が分かれ得ます。条文にあるのは点検(状態・機能・漏れの確認)の項目です。清掃や交換は点検基準の項目ではないので、見積書では整備の作業として別の行に書かれることがあります。作業の言葉の違いは見積書の作業の言葉(点検・調整・清掃・交換・脱着)の意味にあります。
- 排出ガスの基準は保安基準が決めます。保安基準第31条第2項は、排気管から出る一酸化炭素・炭化水素・窒素酸化物・粒子状物質・黒煙を多量に発散しないよう、燃料の種別等に応じて告示で定める基準に適合することを求めています。装置の名前ごとに交換の目安が決まっているわけではありません。
- 検査では排気ガスを測ります。国の検査場の案内には、排気管を排気ガス測定用のプローブが挿入できる状態にすること、軽油を燃料とする自動車は最高回転数を一時的に下げる改造をしないことが書かれています。
- 交換の目安は法令の基準ではありません。走行距離や年数の目安は、メーカーの整備書や整備工場の案内によるもので、車検の合否を決める基準ではありません。車ごとの指定は取扱説明書やメンテナンスノートで確かめます。
- 法定費用ではありません。これらの清掃・交換・補充は、検査手数料・重量税・自賠責保険料とは別に、依頼先が設定する整備の費用です(仕分けの考え方は車検見積書の費目チェックリスト)。
点検の項目の全体は定期点検の項目一覧(1年ごと29項目・2年ごと60項目)に、追加整備を勧められたときの順番は追加整備を勧められたときの確認の順番に、検査で不適合になった場合は検査ラインで不適合になりやすい項目と見積の行の対応にあります。
LPG車のガス装置の行は、LPG車の整圧器・ボンベ・配管の行の見方で確認できます。
輸入車の見積で国産車と変わる項目は輸入車の車検見積で国産車と変わる項目を参照してください。
よくある質問
Q. DPFや尿素SCRの行は、定期点検基準の項目にありますか。
自動車点検基準の別表第5と別表第6に、DPF・尿素SCR・燃料フィルターという語は書かれていません。条文に名前がないことは、交換や清掃が不要という意味でも必要という意味でもありません。点検基準の項目に載っていない作業なので、見積書では点検の料金とは別の整備の行として書かれ得ます。このサイトは要否を判定しません。
Q. ディーゼル車の車検では、排気ガスはどのように確かめられますか。
保安基準第31条第2項は、排気管から出る一酸化炭素・炭化水素・窒素酸化物・粒子状物質・黒煙を多量に発散しないよう、燃料の種別等に応じて告示で定める基準に適合することを求めています。国の検査場の案内には、排気管を排気ガス測定用のプローブが挿入できる状態にすること、軽油を燃料とする自動車は最高回転数を一時的に下げる改造をしないことが書かれています。装置の名前ごとに交換の目安が決まっているわけではありません。
Q. DPFや燃料フィルターの清掃・交換の費用は、法定費用ですか。
法定費用ではありません。検査手数料・重量税・自賠責保険料とは別に、依頼先が設定する整備の費用です。走行距離や年数の交換の目安は、メーカーの整備書や整備工場の案内によるもので、車検の合否を決める基準ではありません。
このページでできること・できないこと
ここで示しているのは、法令に書かれた点検の項目の範囲です。個別の車でDPF・尿素SCR・燃料フィルターなどの整備が必要かどうか、見積書の金額が妥当かどうかは判定しません。数値の基準(排出ガスの許容値など)はこのページでは扱いません。
出典(確認日2026-10-08):
- e-Gov法令検索「自動車点検基準」別表第5・別表第6https://laws.e-gov.go.jp/law/326M50000800070
- e-Gov法令検索「道路運送車両の保安基準」第31条https://laws.e-gov.go.jp/law/326M50000800067
- 自動車技術総合機構「審査の実施」https://www.naltec.go.jp/business/inspection/howto/flow/carryingout/index.html