マフラー・触媒・O2センサー・排気管の行と、定期点検基準・検査の対応表
ガソリン車の見積に出やすい排気系の行を、自動車点検基準の別表第6(1年・2年ごと)の項目と照らします。条文に名前がないことは、交換が不要という意味でも必要という意味でもありません。点検基準にあるのは取付けの緩み・損傷や機能の点検で、交換は項目にありません。このページは交換の要否を判定しません。
| 見積書の行(例) | 条文で名前がある項目 | 点検の時期(別表第6) |
|---|---|---|
| マフラー(消音器)の交換・修理 | 「エグゾースト・パイプ及びマフラ」の「取付けの緩み及び損傷」と「マフラの機能」 | 取付けの緩み・損傷は1年ごと、マフラの機能は2年ごと |
| 排気管(エグゾーストパイプ)の交換・取付け直し | 同じ欄の「取付けの緩み及び損傷」 | 1年ごと |
| 排気管のつなぎ目のガス漏れ・ガスケット交換 | 「ガス漏れ」の語は高圧ガスを燃料とする装置の項目にだけある。排気の漏れは、近い項目として「取付けの緩み及び損傷」があるが、条文からは同じ扱いか読み取れない | 同上 |
| 触媒(触媒コンバーター)の交換 | 「一酸化炭素等発散防止装置」の「触媒反応方式等排出ガス減少装置の取付けの緩み及び損傷」(点検は取付けの状態のみ。交換は条文にない) | 2年ごと |
| O2センサー(酸素センサー)の交換 | 名前なし(条文に「酸素」「センサ」の語は0件)。「一酸化炭素等発散防止装置」の欄に入るかは条文から読み取れない | - |
| 排気の状態の点検 | 原動機の「本体」の「排気の状態」 | 1年ごと |
| 故障診断(OBD)の結果確認 | 「その他」の「車載式故障診断装置の診断の結果」 | 1年ごと |
別表第6は自家用の乗用車や軽自動車などの基準です。自家用の貨物自動車(4ナンバー)などは別表第5にあたり、時期の区切りが6か月・12か月です。くわしくは貨物・商用車の車検見積で乗用車と変わる項目を参照してください。ディーゼル車の排気まわり(DPF・尿素SCR・EGR)はディーゼル車の車検見積に出る項目と定期点検基準の対応にあります。
検査での扱いと、見積書と読み合わせるときの注意
- 保安基準は、消音器と排出ガスの両方を求めています。保安基準第30条第2項は、内燃機関の自動車に、告示で定める基準に適合する消音器を備えることを求めています。第31条第2項は、排気管から出る一酸化炭素・炭化水素・窒素酸化物・粒子状物質・黒煙を多量に発散しないよう、告示の基準に適合することを求めています。同条第7項は、排気管の取付位置・取付方法についても告示の基準を求めています。数値の基準はこのページでは扱いません。
- ガソリン車の検査では、排気ガス中のCOとHCの濃度を測ります。自動車技術総合機構の検査コースの案内に、排気ガス中の一酸化炭素(CO)・炭化水素(HC)濃度の検査があり、排気管にプローブを差し込むこと、ディーゼル車はこの排気ガス検査を行わないことが書かれています。
- 検査を受けるときの状態の指定があります。同じ案内は、排気管を排気ガス測定用プローブが挿入できる状態にすることを求めています。
- 検査で不適合になった場合の行は別に扱います。不適合のとき見積の追加整備や再検査の行にどう出るかは検査ラインで不適合になりやすい項目と見積の行の対応にあります。
- 交換の目安は法令の基準ではありません。触媒やセンサーの交換時期の目安は、メーカーの整備書や整備工場の案内によるもので、車検の合否を決める基準ではありません。車ごとの指定は取扱説明書やメンテナンスノートで確かめます。
- 法定費用ではありません。これらの交換・修理は、検査手数料・重量税・自賠責保険料とは別に、依頼先が設定する整備の費用です(仕分けの考え方は車検見積書の費目チェックリスト)。
点検の項目の全体は定期点検の項目一覧(1年ごと29項目・2年ごと60項目)に、整備項目ごとの見積の出方は整備項目別の見積の行の一覧に、追加整備を勧められたときの順番は追加整備を勧められたときの確認の順番にあります。
このページでできること・できないこと
ここで示しているのは、法令に書かれた点検の項目の範囲と、検査コースの案内に書かれた内容です。個別の車で排気系の整備が必要かどうか、見積書の金額が妥当かどうかは判定しません。排出ガスの許容値や騒音の数値はこのページでは扱いません。
出典(確認日2026-10-10。点検基準の別表は2026-10-08にe-Govから取得した別表第6を再確認):
- e-Gov法令検索「自動車点検基準」別表第6https://laws.e-gov.go.jp/law/326M50000800070
- e-Gov法令検索「道路運送車両の保安基準」第30条・第31条https://laws.e-gov.go.jp/law/326M50000800067
- 自動車技術総合機構「第3ブロック」https://www.naltec.go.jp/business/inspection/howto/flow/carryingout/block3.html
- 自動車技術総合機構「審査の実施」https://www.naltec.go.jp/business/inspection/howto/flow/carryingout/index.html
よくある質問
Q. O2センサーや触媒の交換は、定期点検基準のどの項目にあたりますか。
触媒は「一酸化炭素等発散防止装置」の「触媒反応方式等排出ガス減少装置の取付けの緩み及び損傷」が2年ごとの点検項目にありますが、点検は取付けの状態のみで、交換は条文にありません。O2センサー(酸素センサー)は条文に「酸素」「センサ」の語がなく、名前のある項目はありません。交換が不要という意味でも必要という意味でもなく、このページは交換の要否を判定しません。
Q. マフラーの交換は、車検の合否の基準になっていますか。
保安基準第30条第2項は、内燃機関の自動車に、告示の基準に適合する消音器を備えることを求めています。点検基準にあるのは「エグゾースト・パイプ及びマフラ」の取付けの緩み・損傷(1年ごと)とマフラの機能(2年ごと)で、交換の時期を定めたものではありません。数値の基準はこのページでは扱っていません。
Q. ガソリン車の車検では、排気について何を検査しますか。
自動車技術総合機構の検査コースの案内に、排気ガス中の一酸化炭素(CO)・炭化水素(HC)濃度の検査があり、排気管にプローブを差し込みます。受検時は排気管をプローブが挿入できる状態にします。ディーゼル車はこの排気ガス検査を行いません。