整圧器・ボンベ・配管と定期点検基準の項目の対応表
自動車点検基準(国の定期点検の基準)を調べると、「LPG」「液化石油ガス」「整圧器」という語は書かれていません。ガス装置を扱う項目は、別表第3(事業用自動車等)、別表第5(自家用貨物自動車等)、別表第6(自家用乗用自動車等)にある「高圧ガスを燃料とする燃料装置等」の欄です。条文に名前がないことは、整備や交換が不要という意味でも必要という意味でもありません。
| 見積書の行(例) | 条文で名前がある項目 | 書かれ方 |
|---|---|---|
| ガス配管・継手の点検 | 「高圧ガスを燃料とする燃料装置等」の「導管及び継手部のガス漏れ及び損傷」 | 別表第3・別表第5に項目がある。この項目には対象を絞る注記が付いていない |
| ボンベ(ガス容器)の点検 | 同じ欄の「ガス容器及びガス容器附属品の損傷」「ガス容器取付部の緩み及び損傷」 | 「ガス容器及びガス容器附属品の損傷」には、圧縮天然ガス・液化天然ガス・圧縮水素を燃料とする自動車に限るという注記が付いている。液化石油ガスは、その注記に書かれていない |
| 整圧器(圧力を下げる装置)の分解点検・清掃・交換 | 名前なし | 点検基準の項目に載っていない作業。点検の行とは別に、整備の行として書かれ得る |
| ボンベの充填弁・安全弁などの交換 | 名前なし。近い欄は「ガス容器附属品の損傷」だが、これらの部品が入るかは条文から読み取れない | 点検基準の項目に載っていない交換作業は、整備の行として書かれ得る |
別表第6(自家用の乗用車など、1年ごと・2年ごとの点検を行う自動車の基準)にも、同じ「高圧ガスを燃料とする燃料装置等」の欄があり、導管及び継手部のガス漏れ及び損傷が書かれています。「ガス容器及びガス容器附属品の損傷」に圧縮天然ガス等に限る注記が付く点も同じです。どの別表にあたるかで、点検の時期(3月・6月・1年・2年ごと)が変わります。
点検の時期はどの別表で決まるか
- 別表第3(事業用自動車等): 3月ごと、12月ごとの点検の基準です。ガス装置の欄はこの表にあります。
- 別表第5(自家用貨物自動車等): 6月ごと、12月ごとの点検の基準です。ガス装置の欄はこの表にあります。
- 別表第6(自家用乗用自動車等): 1年ごと、2年ごとの点検の基準です。ガス装置の欄はこの表にもあります。
事業用のタクシーなどは、3月ごとの点検と12月ごとの点検の行が分かれます。車検(継続検査)の行は別です。車種ごとの比較は車の種類別の見積比較で見られます。
見積書と読み合わせるときの注意
- 「点検」と「分解・清掃・交換」は行が分かれ得ます。条文にあるのは、ガス漏れ・損傷・取付けの緩みを確かめる点検です。分解して清掃する、部品を交換するといった作業は、見積書では整備の作業として別の行に書かれることがあります。作業の言葉の違いは見積書の作業の言葉で整理しています。
- 印紙代は整備の代金ではありません。見積書の「印紙代」「証紙代」は、検査登録印紙や自動車審査証紙など国に納める検査手数料の行です。重量税は「重量税印紙」と書かれることもあり、これも国に納める法定費用です。どちらも部品や作業の代金ではありません。検査手数料の金額は車検の検査手数料の改定で確かめられます。
- 交換の目安は法令の基準ではありません。年数や走行距離の目安は、メーカーや整備工場の案内によるもので、車検の合否を決める基準ではありません。車ごとの指定は取扱説明書や整備記録で確かめます。
- 法定費用ではありません。ガス装置の整備や部品交換は、検査手数料・重量税・自賠責保険料とは別に、依頼先が設定する整備の費用です(仕分けの考え方は車検見積書の費目チェックリスト)。
関連ページは次の4つです。定期点検の項目一覧(点検項目の全体)、追加整備を勧められたときの確認の順番、貨物・商用車の車検見積で乗用車と変わる項目(貨物車の別表の違い)、ディーゼル車の車検見積に出る項目。
よくある質問
Q. LPG車の整圧器の分解点検は、定期点検基準の項目にありますか。
自動車点検基準に「整圧器」という語は書かれていません。ガス装置の欄にあるのは、導管及び継手部のガス漏れ及び損傷、ガス容器及びガス容器附属品の損傷、ガス容器取付部の緩み及び損傷です。整圧器の分解点検は、見積書では点検の行とは別の整備の行として書かれ得ます。
Q. 見積の「印紙代」は、ガス装置の整備の費用ですか。
いいえ。検査登録印紙や自動車審査証紙など国に納める検査手数料や、重量税印紙にあたる行で、整備の費用とは別の行です。
Q. ガス装置の整備の費用は、法定費用ですか。
法定費用ではありません。検査手数料・重量税・自賠責保険料とは別に、依頼先が設定する整備の費用です。
このページでできること・できないこと
ここで示しているのは、法令に書かれた点検の項目の範囲です。個別の車の整備の要否と見積金額の妥当性は判定しません。圧力や漏れの数値の基準、高圧ガス保安法などガス側の法令の検査も扱いません。
出典(確認日2026-10-15):
- e-Gov法令検索「自動車点検基準」別表第3・別表第5・別表第6(ガス装置の欄は3つの表すべてにある)https://laws.e-gov.go.jp/law/326M50000800070
- 検査手数料・重量税の出典は一次情報の出典を参照