事故・板金修理の後に車検を受けるときの見積、修理の行と車検の行の仕分け

修理の費用と、車検のための整備・法定費用が一枚の見積書に並んだときの読み方を整理します。修理が必要かどうか、保険が使えるかどうかは判定しません。

修理の行・車検の整備の行・法定費用の行の仕分け表

事故や板金修理の後に車検を受けると、見積書には修理の作業と車検の作業が混ざって載ります。法令の側から見ると、使用者は自動車を点検し、必要に応じて整備することで、保安基準に適合する状態を保つ義務を負っています(道路運送車両法第47条)。このうち車枠と車体については、保安基準第18条が、車枠と車体は堅ろうで運行に十分耐えるものであること、車体の外形は鋭い突起がないなど他の交通の安全を妨げるおそれがないものであることを求め、具体的な基準は告示に委ねています。修理の行が車検に関わるのは、この基準に関係する損傷を直しているときです。見た目だけを整える補修の行は、第18条の本文に数値の基準がなく、告示は未確認のため、車検の費用とは別の行として読みます。

見積書の行(例)読み方根拠・仕分け
車体の曲がり・ゆがみの修正、フレーム修正車枠・車体の強度や取付けに関わる修理。保安基準第18条第1項第1号の対象にあたりうる。修理の範囲と理由は、修理を出す工場に確認する保安基準第18条第1項第1号
割れたバンパー・外れかけた外板の交換や固定外れかけ・割れで鋭い突起ができる場合は、車体の外形の基準(同条第1項第2号)に関わりうる。部品代・工賃・塗装代が別の行か一式かを確かめる保安基準第18条第1項第2号
塗装(部分塗装・全塗装)、キズの補修車検の合否の数値基準は確認した条文にない。修理の続きとして出る見た目の補修は、車検の行とは別の費用として読む外装補修のページ
衝突安全装置・先進安全装置まわりのセンサー、カメラの取外し・調整前方を検知するセンサーや、それを取り付けた車体前部・窓ガラスの取外し、取付位置の変更、調整は、かじ取り装置または制動装置の作動に影響を及ぼすおそれがあるものに限り、省令で電子制御装置整備と定められている。作業内容と費用の行を分けて確認する道路運送車両法施行規則第3条第8号、先進安全装置のページ
エンジン・ミッション・ブレーキ部品などを取り外す修理取り外して行う整備のうち省令で列挙されたものは「特定整備」にあたり、使用者が整備の概要などを点検整備記録簿へ記載する決まりがある(自動車特定整備事業者が実施した場合は例外)。どの部品を外したかが書かれているかを見る道路運送車両法第49条第2項、施行規則第3条
自動車検査手数料・自動車重量税・自賠責保険料修理の有無に関わらず車検のたびに決まる法定費用。修理を理由に増減する行ではない法定費用早見表

見積書と読み合わせるときの注意

よくある質問

Q. 見積書の塗装やキズの補修の行は、車検の費用ですか。

確認した条文には、見た目の補修に関する車検の合否の数値基準はありません。修理の続きとして出る見た目の補修は、車検の行とは別の費用として読みます。修理が車検に関わるのは、保安基準第18条が求める車枠・車体の強度や、鋭い突起がないことなどに関係する損傷を直しているときです。

Q. 修理の費用と車検の費用が一枚の見積書に混ざっているときは、どうしますか。

修理の見積と車検の見積を別の書面で出せるかを聞きます。難しい場合は、行ごとに修理、車検の整備、法定費用と区分された見積を頼みます。自動車検査手数料・自動車重量税・自賠責保険料は、修理の有無に関わらず車検のたびに決まる法定費用で、修理を理由に増減する行ではありません。

Q. 見積書に「車検に通らない」と書かれていたときは、どう確認しますか。

どの基準のどの点なのかを聞きます。鋭い突起、取付けの緩み、強度に関わる損傷など、根拠を説明できるかが目安です。このページでは、個別の車の損傷が検査に通るか、修理が必要かどうか、保険の適用は判定しません。

このページでできること・できないこと

ここで示しているのは、車枠・車体に関する保安基準の定めと、特定整備の定義の範囲、そして見積書の行の読み方です。個別の車の損傷が検査に通るか、修理が必要かどうか、保険の適用、見積金額の妥当性は判定しません。車体の外形や強度の細かい基準を定める告示は、このページでは確認していません。

出典(確認日2026-10-14):

このサイトは、車検の見積に関する一般的な情報を提供するものであり、個別の車の点検整備の要否を判定・保証するものではありません。実際の扱いは整備工場と国土交通省の案内でご確認ください。