傷・凹み・塗装・コーティングの作業そのものを求める数値基準は、確認した条文にない
保安基準第18条は、車枠と車体について、堅ろうで運行に十分耐えること、車体の外形が鋭い突起がない等、他の交通の安全を妨げるおそれがないものであることを求めています。強度や外形の具体的な基準は告示で定められます。傷・凹みの大きさや塗装のはがれ具合を、車検の合否の数値で示した定めは、確認した条文には見つかりませんでした。したがって、外装補修の行は、安全に関わる損傷なのか、見た目の補修なのかを分けて見積書を読むことになります。補修が必要かどうかは、このページでは判定しません。
| 見積書の行(例) | 読み方 | 根拠・仕分け |
|---|---|---|
| 傷・擦り傷の補修(タッチペン・磨き) | 塗装面の傷を直す任意の整備の費用。傷の大きさで合否が決まる数値の定めは確認できていない | 法定基準を確認できていない項目 |
| 凹み修理・板金 | 鋭い突起ができた、部品が取り付けに緩みがあるなど、車体の外形や取付けに関わる損傷なら保安基準第18条に関わりうる。見た目だけの凹みは、確認した条文に基準がない。どちらに当たるかは、見積を出した整備工場に根拠を聞く | 保安基準第18条第1項 |
| 塗装(部分塗装・全塗装) | 法令に作業名や料金の定めはなく、依頼先が設定する費用。見た目の補修として出ていることが多い | 法定基準を確認できていない項目 |
| バンパー・外板部品の交換 | 外れかけ、割れで鋭い突起がある場合は第18条に関わる。部品代・工賃・塗装代が別の行か一式かを確認する | 保安基準第18条第1項 |
| ボディコーティング・ガラスコーティング | 確認した条文に、これを求める定めはない。ガラス面に施すものは、視野を妨げない・透過率の基準があるため窓ガラスまわりの見積項目も参照 | 法定基準を確認できていない項目 |
| フロントガラスのひび・飛び石・窓ガラスの交換 | 窓ガラスは保安基準第29条の別の定め。外装の補修とは分けて見る | 窓ガラスのページ |
| エアロパーツ・ステッカー・ホイールなどの取付け | 外装の変更は、車検では「後付け用品・改造」として別に整理している | 後付け用品のページ、改造車のページ |
見積書と読み合わせるときの注意
- 「車検に通らない」と書かれたときは、根拠を聞きます。どの基準のどの点に当たるのか(鋭い突起、取付けの緩みなど)を、見積を出した整備工場に確認します。見た目の補修を、車検の条件のように書く見積があっても、確認した条文からは裏づけられません。
- 車検の見積と別の依頼として分けられるか確かめます。外装補修は法定費用ではなく、車検の基本料・点検の行とも別の費用です(車検見積書の費目チェックリスト)。車検と同時にしない選択もできるため、見積書の外装の行だけを外した合計も出せるかを聞きます。
- 「要交換」「推奨」の表示は法令の区分ではありません。優先度表示の読み方を見てください。
- 添加剤や洗浄の行は別のページです。添加剤・洗浄の見積の行にまとめています。
このページでできること・できないこと
ここで示しているのは、車枠・車体に関する保安基準の定めの範囲と、見積書の外装の行の読み方です。個別の傷・凹みが検査に通るか、補修の要否、見積金額の妥当性は判定しません。車体の外形の細かい基準(突起の寸法など)を定める告示の条文は、このページでは確認していません。
出典(確認日2026-10-12):
- e-Gov法令検索「道路運送車両の保安基準」第18条https://laws.e-gov.go.jp/law/326M50000800067
よくある質問
Q. 車の傷や凹みは、車検に通らない原因になりますか。
保安基準第18条は、車体の外形が鋭い突起がない等、他の交通の安全を妨げるおそれがないものであることを求めています。一方、傷・凹みの大きさや塗装のはがれ具合を合否の数値で示した定めは、確認した条文には見つかっていません。鋭い突起や取付けの緩みがあるかどうかで読み分け、補修の要否はこのページでは判定しません。
Q. 見積書に「車検に通らないので板金塗装が必要」と書かれているときは、どう確かめますか。
どの基準のどの点(鋭い突起、取付けの緩みなど)に当たるのかを、見積を出した整備工場に聞きます。見た目の補修を車検の条件のように書く見積があっても、確認した条文からは裏づけられません。
Q. ボディコーティングや塗装は、車検と同時にしなくてもよいですか。
確認した条文に、コーティングや塗装を求める定めはありません。外装補修は法定費用ではなく、車検の基本料・点検の行とも別の費用で、車検と同時にしない選択もできます。外装の行だけを外した合計も出せるかを聞きます。