保険期間は、車検証の有効期間が満了する日までの全部を覆う必要がある
見積の自賠責が25か月なのは、保険期間が次の車検の満了日まで切れ目なく続く必要があり、24か月ちょうどでは満了日に足りないことがあるため、その差を埋める月数だからです。
自動車損害賠償保障法第9条第5項は、継続検査などの手続きで提出された自賠責保険証明書の保険期間が、自動車検査証に記録すべき有効期間が満了する日までの期間の全部と重複するものでないときは、行政庁は処分をしないものとすると定めています。検査対象外の軽自動車は、この規定の対象から除かれています。
国土交通省の自賠責関連用語集も、保険期間は車検の対象となっている車種については、その車検期間を充足していなければならないと説明しています。つまり、保険の終わりが次の車検の満了日より前になる契約では、車検を通せません。
24か月ちょうどの契約で足りるか、それより長い月数が必要かは、保険期間の始期と、次の有効期間の満了日の位置で決まります。25か月は、その差を埋めるための月数の1つです。
2年車検の自動車の保険期間は、1か月から25か月までの25区分
損害保険料率算出機構の「自賠責保険基準料率のあらまし」は、保険期間を車検期間に応じて次のとおり区分していると説明しています。
| 車検期間 | 保険期間の区分 |
|---|---|
| 1年の自動車 | 1か月から13か月までの13区分 |
| 2年の自動車 | 1か月から25か月までの25区分 |
| 3年の自動車 | 1か月から37か月までの37区分 |
どの区分でも、車検期間の月数より1か月長い区分までが用意されています(12か月に対して13か月、24か月に対して25か月、36か月に対して37か月)。見積の25か月は、2年車検の自動車に用意された最も長い区分で、新車の初回車検で出る37か月は、3年車検の最も長い区分です。
区分を1か月長く設けた理由は、資料に書かれていません。
月数で足りなくなる例(日付で数える)
次の例は、上の条件を日付に当てはめた計算の例です。保険期間の終わりの日時の細かい扱いは、保険証明書の保険期間の欄で確認してください。
| 前提 | 契約の月数 | 保険期間の終わり(月の単位で数えた目安) | 次の満了日(2029年3月15日)を覆うか |
|---|---|---|---|
| 前の満了日が2027年3月15日。2027年3月1日に継続検査を受け、保険期間の始期も2027年3月1日 | 24か月 | 2029年3月1日ごろ | 覆わない(満了日の前に終わる) |
| 同上 | 25か月 | 2029年4月1日ごろ | 覆う |
前の満了日の2か月前の日から満了日までに継続検査を受けると、次の有効期間は前の満了日の翌日から数えます(車検を受けられる時期と有効期間)。この例では、受検の日が満了日より前でも、次の満了日は2029年3月15日のままです。そのため、始期が受検の日と同じなら、24か月の保険期間は次の満了日に届きません。
24か月と25か月の金額差(離島以外の地域・沖縄県を除く)
25か月は24か月より1か月分長い契約なので、金額も上がります。2026年11月1日の改定の前後で、1か月分の差は次のとおりです。単位は円で、金額は自賠責保険料の改定の新旧早見表と同じ基準料率表の数字です。受検日が令和8年の各改定の前か後かは、令和8年の車検費用の改定を日付順に整理したページで確認できます。
| 車種 | 改定前の24か月 | 改定前の25か月 | 改定後の24か月 | 改定後の25か月 |
|---|---|---|---|---|
| 自家用乗用自動車 | 17,650円 | 18,160円(+510円) | 18,560円 | 19,070円(+510円) |
| 軽自動車(検査対象車) | 17,540円 | 18,040円(+500円) | 18,660円 | 19,170円(+510円) |
| 自家用小型貨物自動車(4ナンバー) | 20,340円 | 20,950円(+610円) | 21,430円 | 22,060円(+630円) |
カッコ内の差額は、同じ列の24か月との引き算です。離島と沖縄県の金額は、改定のページにあります。上の金額は、2023年1月18日届出と2026年4月30日届出の基準料率表で2026-10-17に照合しました。
見積書の自賠責の行で確認する3点
- 保険期間の月数(24か月か25か月か)と、保険期間の始期・終期の日付。始期が2026年11月1日以降かどうかで、新旧どちらの列の金額になるかが決まります(新旧どちらの料率かの見分け方)。
- 車種の区分(乗用・軽・4ナンバーなど)。同じ25か月でも、車種で金額が違います。
- 金額が上の表と合うか。合わないときは、保険会社や代理店の手数料や、地域の区分が表の前提と違う可能性があります。見積書の他の項目は車検の見積書で確認する5点にまとめています。
受検日が2026年11月1日の前後にまたがるときの、受検日と保険期間の始期・金額の関係は2026年11月1日の自賠責改定の前後で車検を受けるときにあります。
自賠責の金額が何に使われるお金かは自賠責保険料の構成(純保険料・付加保険料・賦課金)にまとめています。
車検と自賠責は別の法律で決まっており、どちらが切れた状態でも公道は運行できません。車検が切れた車の罰則と自賠責切れとの違いは車検切れで公道を走ると(罰則・自賠責切れ・仮ナンバー)で条文ごとに整理しています。
よくある質問
Q. 車検の見積で自賠責が25か月になっているのは、高く取られているのですか。
25か月は、2年車検の自動車に用意された保険期間の区分の1つで、法律は保険期間が次の満了日までの全部を覆うことを求めています。24か月より1か月分の金額が上がる点は、上の表のとおりです。月数と金額が基準料率表と合っているかは、見積書の行で確かめられます。
Q. 自賠責は24か月と25か月のどちらを選べますか。
保険期間が次の満了日までの全部を覆っていれば足ります。必要な月数は始期と満了日の位置で決まるため、見積書の始期と終期の日付と、整備工場や代理店の説明で確認してください。このサイトは、個別の契約について選び方を判定しません。
Q. 新車の初回車検で37か月と出るのはなぜですか。
3年車検の自動車の保険期間は、1か月から37か月までの区分があり、37か月はその最も長い区分です。新車の初回車検の金額は、同じ新旧早見表の37か月の行にあります。
このページでできること・できないこと
ここで示しているのは、自賠責の保険期間に関する法律の条件と、基準料率表の区分と金額です。個別の契約の始期や、何か月を選ぶべきか、保険会社や代理店ごとの割引・手数料は判定しません。実際の金額と保険期間は、見積書と自賠責保険証明書で確認してください。
出典(確認日2026-10-17):
- e-Gov法令検索「自動車損害賠償保障法」第9条(自動車損害賠償責任保険証明書の提示)https://laws.e-gov.go.jp/law/330AC0000000097
- 国土交通省「自賠責保険・共済関連用語集」https://www.mlit.go.jp/jidosha/jibaiseki/other_info/word/index.html
- 損害保険料率算出機構「自賠責保険基準料率のあらまし」https://www.giroj.or.jp/publication/pdf/overview_SFR_cali.pdf
- 同機構「自動車損害賠償責任保険基準料率表(2026年4月30日届出)」https://www.giroj.or.jp/ratemaking/cali/pdf/202604_table.pdf
- 国土交通省「自動車損害賠償責任保険基準料率(改定前の料率表)」https://www.mlit.go.jp/jidosha/jibaiseki/common/data/ryouritsuhyo.pdf