車検が残っている車を廃車にしたときの重量税の還付(条件別の整理と計算例)

車検を受けるときに納めた自動車重量税(車検のたびに国へ納める税金)は、車検の期間が残ったまま車を手放しても、売っただけでは戻りません。戻るのは、車を解体して登録を抹消した場合で、車検の残りが1か月以上あるときだけです。どの場合に戻るか、残りの期間をどう数えるか、還付額がいくらになるかを、国税庁のリーフレットに基づいて整理します。

車検の見積書と計算機

手放し方別: 重量税が戻るか

車の手放し方・状況還付国税庁の説明
解体して、永久抹消登録(または解体届出)と同時に還付を申請した。車検の残りは1か月以上受けられる自動車リサイクル法に基づいて適正に解体された使用済自動車が対象
解体したが、車検の残りが1か月に満たない受けられない残りが1か月以上あることが条件
中古車として売却した受けられない解体された使用済自動車だけが対象
買い替えで下取りに出した受けられない売却と同じ扱い
盗難にあった受けられない売却と同じ扱い
輸出した(輸出抹消)受けられない解体されていないため
オートバイを解体した受けられない自動車リサイクル法の対象外のため

還付を申請できるのは、車を引取業者(ディーラーなどのリサイクルの窓口)へ引き渡した最終所有者です。重量税を実際に納めた人かどうかは問われません。自然災害で被害を受けて廃車になった車には、別の還付制度があります。

還付額の計算式と、残りの期間の数え方

還付額は、次の式で求めます。

還付額 = 納付された自動車重量税額 × 車検残存期間 ÷ 車検有効期間

確定日は、車の種類と手続によって次の4通りに分かれます。

車の種類解体前の手続確定日
登録自動車(軽自動車以外)一時抹消登録をしている報告受領日と一時抹消登録日の、遅いほうの日
登録自動車(軽自動車以外)一時抹消登録をしていない永久抹消登録の日
軽自動車車検証を返納している報告受領日と車検証の返納日の、遅いほうの日
軽自動車車検証を返納していない車検証を返納した日

報告受領日は、引取業者が使用済自動車を引き取ったと報告し、その報告を国土交通大臣が受けた日です。通常は、引取業者が報告をした日の翌日になります。

計算例(国税庁のリーフレットの4つの例)

車検証の有効期間が令和元年10月1日から令和3年9月30日まで(2年車検)の車を例にした計算です。金額は、リーフレットが例として置いた税額(登録自動車24,600円、軽自動車6,600円)で、現在の重量税額ではありません。

例確定日車検残存期間還付額
登録自動車・一時抹消登録をしている令和3年4月9日4月10日〜9月30日の5か月と21日 → 5か月24,600円 × 5 ÷ 24 = 5,125円
登録自動車・一時抹消登録をしていない令和3年5月20日5月21日〜9月30日の4か月と10日 → 4か月24,600円 × 4 ÷ 24 = 4,100円
軽自動車・車検証を返納している令和3年4月9日5か月と21日 → 5か月6,600円 × 5 ÷ 24 = 1,375円
軽自動車・車検証を返納していない令和3年5月20日4か月と10日 → 4か月6,600円 × 4 ÷ 24 = 1,100円

同じ車でも、確定日が1か月余り遅れるだけで、還付額は登録自動車の例で1,025円(5,125円と4,100円の差)減ります。端数の日数は切り捨てになるため、還付の手続を急いでも日割りでは戻りません。

手続の順序・提出先・時期

  1. 最終所有者が、車を引取業者へ引き渡します。
  2. 引取業者から、車が解体されたという連絡を受けます。
  3. 解体を理由にした永久抹消登録の申請、または解体届出の手続の際に、その申請書と一体になった様式の還付申請書を、運輸支局などの窓口へ提出します。
  4. 還付金は、申請書を窓口へ出してから、おおむね2か月半程度で税務署から支払われます。

抹消の手続だけを先に済ませ、還付の申請を後日に別で行うことは、原則としてできません。申請書は一体の様式で、手続と同時に出します。提出先は次のとおりです。

車の種類手続還付申請書の提出先
登録自動車永久抹消登録申請(一時抹消登録をしていない)使用の本拠の位置を管轄する運輸支局または自動車検査登録事務所
登録自動車解体届出(一時抹消登録済み)最寄りの運輸支局または自動車検査登録事務所
軽自動車車検証の返納を伴う解体届出(車検証を返納していない)使用の本拠の位置を管轄する軽自動車検査協会の事務所
軽自動車解体届出(車検証を返納済み)最寄りの軽自動車検査協会の事務所

所有権が販売会社に留保されているローン購入の車は、所有権を持つ販売会社が最終所有者として還付を受けます。最終所有者は、引取業者へ引き渡した時点の所有者で、車検証に記載された所有者と異なる場合は、譲渡証明書などで確認されます。

見積書との関係

還付の対象は自動車重量税だけです。車検の見積書にある自賠責保険料や整備費用などの項目は、この制度では戻りません。自賠責保険料の額は、保険期間の始期が2026年11月1日以降かどうかで新旧の基準料率が分かれます(自賠責保険料 2026年11月改定の新旧早見表)。車検の直前に手放すかどうか迷うときは、見積の法定費用のうち重量税がいくらかを見てから、解体時の還付額を上の式で見当をつけられます。見積書の項目の区分は車検見積書の費目チェックリスト、重量税の額は法定費用早見表で確認できます。

重量税以外の行(自賠責保険料・検査手数料・整備費用)が手放したときに戻るかは、乗り換えを考えるときの戻る行・戻らない行の仕分けにまとめています。

手放す予定があるときに見積書のどの行が車検を通す場合に必要かは、手放す予定があるときの見積の仕分けで確かめられます。

用語集の短い説明は、自動車重量税の廃車還付制度にあります。車検が切れた車の扱いは車検切れで公道を走るとに、切れた車を再び受けるときの見積の行は車検切れから継続検査を受けるときの見積の行に、車検を受けられる時期は車検を受けられる時期と有効期間にまとめています。

よくある質問

Q. 車を売却や下取りに出したときも、重量税は戻りますか。

戻りません。国税庁の説明では、還付の対象は自動車リサイクル法に基づいて適正に解体された使用済自動車で、解体して永久抹消登録(または解体届出)と同時に還付を申請し、車検の残りが1か月以上ある場合です。中古車としての売却、買い替えの下取り、盗難、輸出は受けられません。

Q. 還付額はどう計算しますか。

還付額は、納付された自動車重量税額 × 車検残存期間 ÷ 車検有効期間で求めます。車検残存期間は確定日の翌日から車検証の有効期間の満了日までで、1か月に満たない端数は切り捨てます。2年車検の車検有効期間は24か月です。たとえば、リーフレットの例の税額24,600円で残りが5か月なら、24,600円 × 5 ÷ 24 = 5,125円です。この税額は例示で、現在の重量税額ではありません。

Q. 還付の申請は、抹消の手続とは別に後日できますか。

原則としてできません。申請書は抹消登録や解体届出の申請書と一体の様式で、手続と同時に運輸支局などの窓口へ出します。還付金は、申請書を窓口へ出してから、おおむね2か月半程度で税務署から支払われます。還付の対象は自動車重量税だけで、見積書の自賠責保険料や整備費用などの項目は、この制度では戻りません。

このページの範囲と出典

このページは、個別の車の還付額を保証するものではありません。解体の方法、リサイクル料金の金額、抹消登録の書類は扱いません(リサイクル料金を預ける時期は車検の見積とリサイクル料金)。実際の申請は運輸支局・軽自動車検査協会の窓口か、国税庁の案内でご確認ください。計算例の元になったリーフレットは令和4年1月の版で、例の税額は当時の例示です。

出典(確認日2026-10-10):

このサイトは、車検の見積に関する一般的な情報を提供するものであり、個別の見積や税額の妥当性を判定・保証するものではありません。実際の手続きと金額は、検査を受ける窓口や依頼する工場の案内でご確認ください。