前検査(後整備)の見積と通常の見積で、行の出方が変わる箇所
国土交通省の案内では、車検前に定期点検整備を行わず、車検後に行うことを前検査(後整備)と呼びます。見積書の作り方は依頼先ごとに異なるため、次の表は架空の例です。実在する業者の見積ではなく、金額も入れていません。
| 見積の行 | 点検整備を先にする見積 | 前検査(後整備)の見積 |
|---|---|---|
| 24ヶ月点検(定期点検整備)の料金 | 行が入ることが多い | 入らないのが前検査の見積の手がかり |
| 検査料(継続検査の手数料) | 入る | 入る。金額が決まっている法定の費用で、車検の検査手数料の改定で確認できます |
| 重量税・自賠責保険料 | 入る | 入る。点検整備の有無とは別に必要です |
| 点検の結果見つかった部品交換・追加整備 | 点検の後に見積に載る | 車検の前の見積には載らない。車検の後の点検整備の見積で出る |
| 検査で不適合になった箇所の整備 | 点検整備を先にしていても出ることがある | 検査で不適合になれば、その箇所の整備の行が後から足される |
| 再検査の手数料 | 再検査になったときだけ | 再検査になったときだけ。詳しくは車検に不合格になったら |
この表は、見積の行を法定費用と整備費用に仕分けるための目安です。どの行が入るかは依頼先の見積書で確かめてください。
前検査(後整備)で車検を受けた後に起きること
国土交通省の案内によると、次のことがあります。
- 車検時に定期点検整備記録簿が確認され、前検査で車検を受けたユーザーには、定期点検整備を行う必要があることを伝え、車検後の実施を確かめるアンケートはがきが届きます(軽自動車は、軽自動車検査協会が発送)。
- 平成26年2月(軽自動車は平成27年1月)から、車検証の備考欄に定期点検整備の実施状況が記載されます。車検時に確認した実施状況をもとにしており、変更はできません。
- 令和2年4月1日から、前検査で受検した車両(二輪車、被けん引車、前面ガラスの無い大型特殊自動車を除く)は、検査標章(車検ステッカー)の裏面の余白に注意喚起文が記載されます。後日の訂正には対応していません。
点検整備の義務そのものは、道路運送車両法第48条が使用者に課しています。自家用乗用車のような区分では、1年ごとに点検しなければならないと定められています。前検査は、この点検整備を車検の後に行う順番であり、点検整備が不要になるわけではありません。
見積の行と日数を、順番ごとに読む
- 点検整備を先にする場合: 点検整備の行と、点検の結果による追加整備の行が、車検の前の見積に並びます。追加整備を行うかどうかは、見積書を確かめたうえで使用者が決めます。
- 前検査の場合: 車検の前の見積には、点検整備の料金の行が入りません。検査料・重量税・自賠責保険料は、点検整備の有無にかかわらず入ります。点検整備の費用は、車検の後に別の見積で確かめます。
- 不適合のとき: 検査で保安基準に合わない箇所が見つかると、その場で整備して当日の再入場、限定自動車検査証を受けて15日の間に再検査、後日の再申請のどれかになります。日数は、この流れの分だけ延びることがあります(再入場・限定自動車検査証・再検査の手数料)。
見積書を受け取ったら、点検整備の料金の行があるかどうかで、点検整備を車検の前に行う見積かどうかを依頼先に確認する手がかりになります。点検と車検の料金の区分は車検・12ヶ月点検の見積対照表で並べています。
車検の見積書との関係
- 整備が必要かどうか、いつまでに行うべきかは、このページでは判定しません。部品の残量に法定の合否の数値基準はなく、整備業者の目安は法定の合否基準ではない参考情報です(整備項目の参考情報)。
- 見積書の確認の観点は車検の見積書で確認する5点、用語は用語集の前検査(後整備)と点検整備記録簿にまとめています。
- 点検整備記録簿の書き方と保存は点検整備記録簿、法定費用の全体は車検の法定費用 車種別早見表で確認できます。
よくある質問
Q. 前検査(後整備)とは何ですか。
車検の前に定期点検整備を行わず、車検の後に行うことを、国土交通省は前検査(後整備)と呼んでいます。車検時に定期点検整備記録簿が確認され、前検査で車検を受けたユーザーには、車検後の点検整備の実施を確かめるアンケートはがきが届きます。
Q. 前検査の見積では、どの行がなくなりますか。
24ヶ月点検(定期点検整備)の料金の行がないのが手がかりになります。検査料・重量税・自賠責保険料などの法定費用は、点検整備の有無にかかわらず必要です。実際の行の出方は依頼先の見積書で確かめてください。
Q. 前検査にすると、点検整備はしなくてよいのですか。
点検整備の義務は道路運送車両法第48条が使用者に課しており、前検査は車検の後に行う順番の違いです。国土交通省の案内でも、車検後に定期点検整備を行う必要があると伝えるとされています。
このページでできること・できないこと
ここで示しているのは、法令と国の機関が公表した案内の内容と、架空の例による行の仕分けです。個別の見積の金額の妥当性や、整備の要否・緊急性の判定はできません。
出典(確認日2026-10-14):
- 国土交通省「車検時の点検整備実施状況のお知らせ」https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha/tenkenseibi/tenken/t3/t3-3/
- 道路運送車両法 第48条(e-Gov法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000185